日本天文学会2000年秋季年会、S08b [G会場10月6日(2日目)14:00-16:00]


すばる望遠鏡を用いたNGC 1068中心核の中間赤外線撮像観測

友野大悟、土井由行、西村徹郎(国立天文台ハワイ観測所)
他すばるプロジェクトチーム
活動銀河核:NGC 1068、中間赤外線、空間分解、すばる

NGC 1068はz~0.04に位置する銀河である。この天体はSeyfert 2銀河のプロト タイプとして知られている。多波長にわたる数多くの観測によって、その中心 領域の複雑な構造が明らかになりつつある。すばる望遠鏡の完成により、中間 赤外線においても従来より高い角度分解能で、シリケイトダストの吸収・放射 による、中心核周辺のダスト構造の解明が期待できるようになった。われわれ は、NGC 1068の中心核を、波長7.7umから12um、および19umの中間赤外線で撮 像観測した。観測には、すばる望遠鏡中間赤外線試験観測装置MIRTOSを用い、 シフト・アンド・アドを用いることで、すばる望遠鏡の回折限界の空間分解能 が得られた。

得られたシフト・アンド・アド像には、活動銀河中心核に対応すると思われる ピークの他、その周囲にいくつかの放射構造が見られる。これらの構造は、デ コンボリューションを施すことにより更に明確になった。本講演では、この観 測を他波長での観測やダストトーラスのモデルと比較しながら、活動銀河中心 核の周囲1秒角 (70pc)のダスト構造について述べる。


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