日本天文学会1999年秋季年会、V18a [F会場10月7日(1日目)13:00-15:00]


すばる望遠鏡中間赤外線試験観測装置MIRTOSの現状

友野大悟、土井由行、西村徹郎(国立天文台ハワイ観測所) 他すばるプロジェクトチーム
地上観測機器:赤外、すばる望遠鏡、MIR/NIR2波長シフトアンドアド

我々は、すばる望遠鏡を用いた中間赤外線での回折限界の撮像をするため、 中間赤外線試験観測装置MIRTOSの製作・調整を進めている。 この装置は、中間赤外線と近赤外線の2つの波長で同時に同じ視野の撮像観測を 行なえるものである。 近赤外線で同時に撮像した天体により大気ゆらぎを検出し、 中間赤外線の短時間積分画像をずらしながら 足し合わせる2波長シフト・アンド・アドと呼ばれる観測技法を用いる事により、 中間赤外線において回折限界を保った長時間の積分が可能となる。

1999年6月にこの装置をすばる望遠鏡に取り付けて試験観測を行なった。 この観測では、中間赤外線での撮像はできなかったものの、 近赤外線で、シフト・アンド・アドの試験のための短時間積分撮像、 望遠鏡の振動副鏡を制御してのチョッピング撮像、 また、星を光源とした入射瞳撮像をすることができた。 本講演では、試験観測の結果と、その後の進捗状況を述べる。


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